rs72’s diary

音楽や楽器、写真、ふるーいMacintoshなどなど、まったく飯の種にならないことばかりツラツラと

32bit機の「常用」を目指すのは時間の無駄に思えてきた、という寂しいお話

さて、Gecko Linuxからの投稿が問題なくできると確認できたので、少し書いてみましょう。

 

Gecko Linuxについてはまた別に書きますが、ひとまず例によってデスクトップはClaudia Cardinaleです。

 

色々ありますが、まずは32bitのお話。

 

この間も32bit機でのLinuxをいろいろ試していました。主にAtom搭載機で。(さすがにFMV-7220では何もかもきつく感じてきました)

 

エラーが出てインストールそのものができないものもありますが、基本的に、32bit用のものは、当然、動きました。

 

しかし、あえて極端に書けば、動いた、だけです。テキスト打ちは出来ますし、日本語も打てますし、ウェブも見られます。しかしそこまでです。ほんと、そこまでです。

 

動画を見るのはほぼほぼ無理。見られるかどうか、ではなく、映像が「動いてるのかな」程度であればなんとか。そもそもブラウザでは無理。いや、いけるのかなぁ。試す気も起きなくなるくらい遅いので、どーにもこーにも。YouTubeであれば、専用閲覧ソフトみたいのもありますが、それを使っても、なんとか見られる、というレベル。

 

また、もろもろの理由でBraveを使いたいんですが、32bitでは無理。そこも残念。それも32bitに諦めを感じた瞬間。

 

パソコン側の制約で32bitのOSしか使えない、という状況はあると思いますが、そのパソコンで出来ることには、そもそも制限があります。なぜなら、32bitのパソコンは、今の時代から見れば、もはや「遅い」から。(個人的にはまだまだ様々な利用シーンがあるとは思っています)

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「古いパソコンをLinuxで復活させよう!」「こんな古いパソコンでもLinuxなら快適!」なんていうサイトをたくさん見かけますが、64bit機で、メモリーを4GB(あるいはそれ以上)とか積んでいるなら、そういった文句も現実味がありますが、32bit機を対象に、32bit機で動くLinuxはまだまだこんなにあります、なんていう紹介を見ると、(いや、そこで情報を得たという事実はありますが)、実際にそれが「現実的に使い物になるか」というと、かなり???が付きます。

 

動く、だけなら、上記の通り、そりゃ動きます。でも、日常的にストレスなく使えるレベルかというと、そもそも、32bit機では、今のネットの情報量は重すぎる。動画のないページであればたぶん問題ないです。でも、ニュースサイトでも動画はあったりしますからね。

 

Linuxを紹介していて、32bitの紹介をして、かつ、軽快に動きます、としているサイトでは、ほとんど(といって過言ではないと思う)、動画のテストはしていないと思う。音楽視聴のテストはしている場合があります。音楽再生マシンとして使えます、といった紹介もあったりするし。でも、動画、特にネット上の動画の再生は、ほぼ無理というか、実用レベルに達しないと思う。もちろんローカルの動画ファイルは大丈夫かもしれないけどね。

 

それと、Linuxは全然簡単ではありません。ZorinやQ4OSとか、Windowsに似ているとか言われるけど、まったく違います。まったく、です。雰囲気、だけでしょう。雰囲気でパソコンが動けば楽なものです。

 

まず、インストールが大変です。ここ、「いやいや、起動すればほぼ自動じゃーん」とか聞こえてきそうですが、たしかに、著名なディストリビューション、特にDebianUbuntu系だと、自動化されてる気がします。

 

しかし、そもそも、「普通に」パソコンを使う人の「多く」は、OSのインストールなんて、やったことないのです。

 

やったことないならやってみればいい、と、そういったことが苦にならない方々は言うかもしれない。そして、情報はネット上にいくらでもある、と言うかもしれない。

 

でもね、それは、ほんと、わかってる人が言うことなの。

 

なんで、たかだか「道具を使う」ために、「道具を作る」ところから始めないといけないの???

 

ここです。パソコンを多少なりともわかってる人がすっ飛ばしてるところがここ。自分でメンテナンスできる人は、ここを当たり前だと思ってしまう。

 

でもね、パソコンって「ただの道具」なのです。100均で買える小道具と同じなの。手軽に使えないと意味ないの。

 

はいどうぞ、で使える状態にないと、操作できない人が大半であり、そしてそれは決して「おかしい」状況ではないのです。だって、OS側、パソコンメーカー側が、そのように売ってきたから。そして、そうしないと売れないから。

 

ここからあえて、いやいやOSのインストール、トラブルへの対処などなど、当たり前にできるようになってからパソコンを使ってください、というのは、(差別的な意味ではありません)明日からずっと目を瞑って暮らせ、と言ってるのと同じです。

 

そして、そんな状況下、WindowsMacOSが搭載されているパソコンを買えば、少なくとも、OSのインストールなんていう段階はないのです。そこは当然、割愛されていていいのです。

 

なので私は、「古いパソコンがあるんだけどどうしよう」という方がいるとして、その方が、比較的近くに住んでいて、かつ、とても近しい仲で、といった前提があれば、「予算は?ない?なら、Linuxを入れてみる?整備などはしてあげるよ」と言うでしょう。でも、当該の前提がないのであれば(ちょっとだけ遠い、単なる相談、知り合い、などなど)、Linuxを勧めることはしません。素直に価格.comを見て、適度なスペックのを探し、これがいいんじゃない?と見せます。

 

前者であれば、なにかトラブルがあっても、私がある程度は対処してあげられるし、こんなソフトがあるよ、こうこうこうしてインストールしてみて、なんてガイドやアドバイスやヘルプも出来ますが、そもそもそんなことで困りたくないという人、もっと手前のガチガチの初心者には、Linuxを勧めません。ガイド本なども豊富にあるWindowsを勧めます。お金がない、と言われれば、じゃあ、新品の半額くらいは出せる?出せるなら中古を整備してあげるよ、と言います。

 

無責任にLinuxを勧めるのはほんとによくないと思う。紹介することを止めることはしないし、そんなこと毛頭考えていないけど、でも、「初心者でも安心」とか「古いパソコンが蘇る」とかはやめたほうがいい。

 

Windowsを搭載したメーカー製パソコンやMacintoshといったメジャーなOSがハードウェアなども含めて供給されていることには意味があるのです。

 

お金がもったいない、意図的な陳腐化に逆らおう、Microsoftの戦略にはもうこりごりだ、エトセトラエトセトラ。理由は何でもいいけど、これらから一気にLinuxに行こうとするなら、それなりの覚悟が必要です。時間もね。

 

覚悟も時間もないけどLinuxを安定して使いたいからなんとかしてくれ、という気味の悪い要望をするなら、自分の周りにLinuxに詳しい人がいて、その人がなんでもやってくれる、とかであれば可能かもしれませんね。

 

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と、あたかもLinuxはダメと書いているように思われるかもしれないけど、そうではなく、初心者でもLinuxを扱える、とか、Windowsからの乗り換えも簡単、とか、古いパソコンが蘇る、とか、安易に書いているのはほんとにやばいし、詐欺だと思う、ということを言いたいだけです。

 

個人的には、どうにでも解決しようと思うし、ダメなら見切りをつけられるだけの判断はできるし、そもそもパソコン関係ですったもんだしてることが好きなので、Linuxは楽しいです。WindowsMacOSも楽しいです。まとめて、パソコンは楽しいです。