rs72’s diary

音楽や楽器、写真、ふるーいMacintoshなどなど、まったく飯の種にならないことばかりツラツラと

LinuxはあくまでもLinux

そんなこんなで日が空いてしまいましたが、相変わらずLinuxとくんずほぐれつしています。

今回はあまりに小さくて、手の大きい私には逆に使いづらくて仕舞い込んでいたHewlett-PackardのMini 110-4100というものです。

Atom N2600で、メモリーは2GB、記憶デバイスは安く購入したSSDに交換してあります。そして、ドイツ語版(?)のLinuxMintを日本語化して使っています。LXDE版。テキスト打ちや単にウェブを見るだけなら、結構快適です。↓を見て導入してみました(私が見たこれは古い記事で、当該サイトでは新しいバージョンについても紹介しています)

「2020.1 Linux Mintフォーラムの Linux Mint 19.3 LXDE LTS-Version 32bitを、低スペックのVAIO TypePで試してみた | LN date」

 https://lovely910.com/2020/01/28/2020-1-linux-mintフォーラムの-linux-mint-19-3-lxde-lts-version-32bitを、低スペックのvaio-typep/

SSDにはantiXとMX Linuxも入れてあり、それらはさらに軽いのですが、使いやすさでいうとダントツLinuxMint。

さて、間をいきなりふっ飛ばして書きますが、Linuxを紹介しているサイトに多い、32bitの古いパソコンでもLinuxを入れれば生き返る!といった謳い文句はやめたほうがいい、と思いました。「Linuxを入れればまだまだ使える!」とかね。

そもそもなんで、古いパソコンをLinuxで復活させよう、という流れになるかというと、特に、WindowsXP以前(XPを含みます)が初期搭載のパソコンの多くは、その次のWindows7(7は結構もっさりしている)を載せるにはスペックが足らず(ただし、一部は、Windows10も動くのはあるかもだけど)。ではXPを使い続けられるかというと、ネット上の悪意の問題で、セキュリティ的に問題が増えていく一方。

そんなこんなでXP機がタンスの肥やしになっているという場合が多い、というのが前提。

そして、XPが全盛の時代、その頃のLinuxは確かに軽かったと思います。ものすごく。

Linuxへの入口が比較的わかりやすいPuppy Linuxのバージョン4.3.1は、現在でも正式にダウンロードが可能で、劇的な軽さです。この4.3.1は2009〜2010年頃に発表されました。Windows7が2009年らしいので、まさに、Windowsの代替になるかもしれない、というタイミングです。

しかしその後に色々出てくる各種ディストリビューションの多くは、とてもじゃないけど、その頃の機種ではまともに動きません。軽いと言われるLubuntuやBohdiやZorinやQ4OSやら、どれも使用に耐えられる動作速度ではありません。搭載メモリーの関係で起動をはじかれる場合もあります(XP機以前だとメモリーが、積めても768MBなんていう機種も普通だった)。これらが軽快に動くのは、かろうじて、Windows7を初期搭載のパソコンが限界でしょう。

ようするに、Linuxが軽い、というのはもはや幻想、ということです。Puppyだけは今でも軽いですし、CDに収まるサイズのも多いですが、それもだんだん、32bit版は開発が終わっていくと思われます。

もちろん、単にOSを動かして、軽めのウェブブラウザでちょろちょろっとネットを見る、という用途であれば、OSを入れられさえすれば、なんとかなるかもしれません。しかし、YouTubeを見よう、となった瞬間、ほぼ例外なく、終わります。

また、いやいやantiXやTinyCoreは激軽でしょ!というご意見もあるでしょう。しかし、少なくとも、antiXは初心者向けではないし、TinyCoreにいたっては明らかに中上級者向けです。

そして、TinyCoreは特殊なので置いておきますが、ほとんどのディストリビューションは、もはやCDには収まらなくなっています。そうなるとDVDかUSBメモリーなどから起動することになるのですが、まず古いパソコンでは、USBメモリーからの起動ができません。

これを何を勘違いしているのか、Rufus(CDやDVDではなくUSBメモリーなどで起動できる状態にする大変便利なソフト)などを使えばできるはず!出来ないはずがない!と言って譲らない人がいます。

できるわけがないのです。そもそもパソコンの設計上、そうなっていないのだから。Rufusは、単に、CDやDVDに焼き付けなくてもUSBメモリーで代用できますよ、そしてUSB起動が可能なパソコンならそこから容易に起動できますよ、というものであり、アーキテクチャを飛び越える働きをしてくれるわけではありません。

当たり前ですが、USBメモリーからの起動が不可能な機種は、USB接続のCD/DVDドライブからも起動できません。そうなると、どうしても、起動時から認識するCD/DVDドライブが必要ということになります。

そして、CDには収まらないわけですから、DVDが初期搭載の機種、ということになります。

ここで、CDドライブが初期搭載の機種を、自分で、DVDに換装できる人は、先に進むことができますが、それが出来ない人は、ここで終わりです。どうあっても終わりです(業者や第三者に頼まない限り)。そして、それが出来ないのならそもそも、Linuxは諦めたほうがいい。Linuxって全然こちらに対して優しくないので、そこまでして使うものではないです。(使えるといざというときに助かるかも、というのはありますが)

というわけで、XP時代のパソコンでLinuxを使うというのは、入り口からしてなかなかなのですが、いざインストールできたとしても、そこからも大変です。

もちろん、新しめのパソコンであればなんとかなるだろうけど、そもそも、32bit版が減ってきているという状況があり。どのディストリビューションも32bit版を出していてくれれば問題ないけど、32bit版を切り捨てたディストリビューションも多いのが現状です。

どのあたりまでが32bitかというと、有名どころではIntelAtomでしょうか。ネットブックなんて言われた製品に多く使われていました。これらは、特にその初期のものの多くは、AtomのN270というのを積んでいます。

これでまともに動くのは、それこそPuppyくらいなんじゃないかなぁ。軽いと言われるantiXとかでもなんとなくもっさりしますが、Puppyなら、最新の日本語化版でも比較的いけます。

ただ、OSはPuppyで軽快に動いても、たとえば、ブラウザで何か見ようとする際、それがテキスト中心のサイトであれば、FalkonやらSeamonkeyなどで事足りるでしょう。しかし、少しでも動きのあるサイトでは、それらのブラウザでは対応しきれず、Firefoxを使うことになります。そうなると重い重い。やってられません。スマホでいいじゃん、となります。

パソコンにはスマホにはない広い空間があり、それを活かして、目に余裕を持って使いたいのに、実際に使うソフトが遅くては話になりません。

ずっとPuppy、ということなら問題ないかもですが、色々あるLinuxを試して、自分に合うのを、自分のパソコンに合うのを、とやるのは、ただパソコンを使いたい人には、極めて不毛な時間です。意味がないと言い切っていいほどに。

そういうことが「パソコンを使う」ということじゃないのか、と異論もあるかもしれませんが、それは「理系」や「パソコンを趣味と言える人」の意見です。一般的に、パソコンを使う、というために、適切なシステムを選択し、なんていう過程は存在しないのです。

だからこそ、その点において、Windows機は優れているのです。入れれば、ほぼ、一通りのことができるから。そして、あまり役に立たないかもしれないけれど、入門本みたいなのもたーーーくさんあり、そして、そこには、どのシステムを選ぶかなどという項目はないのです。共通してWindowsがインストールされているのですから。

しかしLinuxではそうはいきません。どのシステムを入れるのか、どのシステムが入っているのか、といったところからのスタートになります。全てではないにしろ、「LinuxWindowsの代替になる」というのは幻想だと思います。

どうしてもそのシステムを使わなくてはならない(そういう国で暮らすことになった、会社に入った等々)、という状況であれば、どうにかするものですけど、でも、それが、少しお金を出せばWindowsが十分に動く機械を買える、というなら、そちらを選ぶ人が大挙するのも致し方ないのでは、と私は思うのです。

と、Linuxド素人の私は思い、そして今日もLinuxで遊ぶのであります。